第5章:すべての手放しの先へ。内なる覚醒と、教え子たちと紡ぐ未来

すべての教室の幕引きと、
師匠との決定的な出会い
長年愛してきた絵画教室でしたが、やがて体力的な限界や、私自身の状況の変化が訪れました。熟考の末、私はこれまで続けてきたすべての教室にピリオドを打つという、大きな決断を下します。
ちょうどその頃、私には「ある師匠」との決定的な出会いがありました。今振り返れば、この出会いこそが、私の絵画制作における最大の転換期でした。
絵は「体で感じるもの」:過去の作品との別れ
師との出会いによって、私の意識は大きく変わりました。
「絵とは、視覚で見るだけでなく、見る人が体でエネルギーとして感じるものなのだ」
身をもって、そう実感したのです。この気づきは、これまでの自分の作品と深く向き合うきっかけとなりました。

かつて自分を救うため、家族を支える辛い日々の合間に必死に描いてきた絵。それらは当時の私の苦しみが反映されており、これから届けていきたい高い波動のものではないと感じたのです。
自分を戒め、これからの作家としての人生への覚悟として、私はそれまでのほとんどの絵を処分することに決めました。
周囲からは賛否両論あり、長い間人には話せませんでしたが、自分自身を変えるしかないという、表現者としての責任からの選択でした。

周囲の期待を手放し、
内側から湧き出る世界への没頭
良い波動を保ち、心身ともに健康であるために、私は日常の浄化を徹底しました。
プラスの言葉を選び、ネガティブな関係性や「周りの期待に応える生き方」にピリオドを打ったのです。
何年もかかったことですが、便利に使われる関係性を手放したことでエネルギーの消耗がなくなり、全エネルギーを作品へ注げるようになりました。それは、孤独になることを恐れない決意でもありました。
かつては絵を描くことが辛い時期もありました。しかし今の私は、外側の雑音から離れ、自分の純粋なエネルギーと繋がって、内側から湧き上がる世界へ深く没頭しています。この静かで豊かな時間こそが、今の私の創作のすべてです。
鑑賞者の心に届く、癒やしと共鳴
こうして自分自身を清らかなエネルギーで満たせるようになってから、嬉しい変化が訪れました。
私の絵を見て「癒される」と、自然に涙を流してくれることが増えたのです。
毎日を必死に張り詰めて頑張ってきた人たちの心が、私の絵を通じてほどけていく。
その瞬間を分かち合えることこそが、私にとって何よりの喜びであり、天に信じてもらえる行いなのだと信じています。

【今後の展望】
純粋な感性が紡ぐ、教え子たちとの新たな未来
近年、成人した教え子たちと再会する機会に恵まれました。
美大受験の道を歩んだ子も、そうではない道を選んだ子もいます。
しかし、既存の美術業界の枠組みにとらわれず、自分だけの作風を大切に守り続ける彼らの真っ直ぐな瞳と、そこから生み出される純粋な絵に触れたとき、胸が深く満たされるのを感じました。
決して前に出るタイプではなくとも、彼らはそれぞれの立場で、人の心に灯りをともす温かな表現を続けています。かつて絵を通じて繋がった彼らが、今やひとりの表現者として私の前に立っていること。それは指導者として、これ以上ない喜びです。
これからの私の夢は、この愛おしい教え子たちと共に、ひとつの空間を創り上げることです。
彼らの純粋な感性が交差する作品展の開催など、世代を超えたコラボレーションを通じて、社会の誰かを温かく癒やす作品や存在を、彼らと共に届けていきたいと考えています。